ハルちゃんとナルちゃんのおいたち


緊張の違い

春菜の緊張は伸展傾向です、手も足も伸ばしきって曲がりにくいし無理に曲げようとすると鉛のように堅いけどある臨界点をすぎると急に曲がってしまうというものです。 典型的な脳性麻痺による伸展の形態です。それに引き替え成美の身体は力が全く入らない感じで身体に頭が埋もれそうで座らせるとグンニャリとつぶれてしまう感じ これが低緊張と言うらしいのです。

春菜の場合緊張が強くなると自分の意志通りに体を動かすことが出来ず発達にも影響を及ぼすので緊張をとることが重要課題です。成美の場合は緊張が全くない状態で自分自体を支えるのさえ困難な状態で筋力と適度な緊張をもたらすのが重要課題です。 同じように障害があっても全く正反対の症状です。

春菜は何か行動を起こそうとすると意図しない力が邪魔をしてきて、それと戦おうとして振れが生じます。成美の場合はそもそも力が入らず邪魔な動きがないので、いったん出来たことはスムーズに事が運びます。どう見ても成美の方が発達という面からは有利な状態でした。

ところがこの低緊張というやつがくせ者でした。春菜は緊張があるが訓練などで取ることが比較的容易ですが、成美の低緊張は訓練などでも成果が期待しにくいらしいのです。案の定現在では春菜は少し緊張が残っているもののいろいろできるようになってきていますが、成美は逆に要らない緊張が出てきてそれを抑止できる力がないためどんどん悪い方向へ向かってきます。今まで出来ていたことが出来なくなってきて、上手に食べていた食事まで摂取が困難になってきました。

親の見定めが悪かったのか、知識の習得を怠ったためかと色々責任を感じている今日この頃です。成美には以前のように上手にたくさんご飯を食べてほしいと願いつつ現在鍼治療に通っています。

2004年07月13日 14:07更新