2000年06月01日(木) [長年日記]
§1 ウェルキャブ
4月の後半に神戸まで出向いた際、この近くでは神戸にしかないトヨタハートフルプラザへ行ってみた。
ここは福祉車両を展示しておりいろいろなタイプの車を見ることができる、我が家が購入を予定している車は展示してなかったが、大体の感じをつかむために出向いた。
ワンボックスカーで今の車と同じくらいの室内空間を保ちつつ、今の車より少しでも便利になるよういろいろ相談した。
なんとか思いが遂げられそうな感じをつかんで神戸をあとにした、夢が広がっていく瞬間である。
帰ってからはしばらくネットサーフィンしながらカタログを集めてみた、今の車が1990年式の日産ラルゴ、サイズ的には上から2番目だが、今の車種のようにボンネットがないので室内は広々している。
今の室内空間を維持しようと考えると一回り大きな車を候補にあげなくてはならなくなる。つまり現時点で販売している車の中で最大サイズになるわけだ。
そんな中候補に上がるのがトヨタのグランビア、同じくトヨタのグランドハイエース、日産のエルグランドである。
どちらの車にも福祉車両の設定があり、どちらもサイド席のリフトアップシート車が設定されている。
日産のカタログには福祉車両紹介ビデオまで付いてきた、力の入れようが違うのだろうか。
トヨタのグランビアとグランドハイエースは名前こそ違うもののまったく同じ車なので、トヨタと日産から一つずつの候補が上がったことになる。
両車の決定的な違いはトヨタには5ドアがあること、日産には無いのである。
体の不自由な人を介護者がリフトアップシートに乗せて着席させたあと、同じドアから乗り込むのはどう見ても乗りにくい。反対側にドアがあれば問題なく乗り込める、にもかかわらず片方にしかドアがないのは福祉車両としては欠陥であるとも言える。こうなってくると選択肢はなくなりトヨタのグランビアかグランドハイエースに絞られてくる。
グランビアはネッツトヨタ、グランドハイエースは京都はトヨペット、大阪はトヨタ販売である。
いつも世話になっている車屋さんに聞くとネッツの方が値段の交渉が楽だと思うとのことで最初にネッツトヨタと話にかかる。
ここで大きな問題が発覚した。まったく同じに見えている通常のグランビアと福祉車両である「ウェルキャブ」のグランビアでは装備に著しい差があることがわかった。
通常販売されている車には贅沢の限りを尽くした装備が用意されている。ところが「ウェルキャブ」にはその装備がないのである。無いだけでなくオプションでも手に入らない設定なのだ。
例えばチャイルドシート組み込みセカンドシート。これはかなり高級なグレードにしかオプション設定がない。また、パワーアシストドア。これはドアノブを操作することでそれ以降は自動でドアが開くというもので、しめるときも少し動かすと自動でしまってくれる。介助する人に贅沢と思うかも知れないが、子どもを抱えながらドアを操作する場合もあるので是非とも欲しい装備である。
セカンド席用のフットレストやオットマン(座席と同じ高さくらいの足を置く台、新幹線などに付いている)など、後ろの席でナルちゃんを抱っこしながら座っているおみさんにとって重要な装備である。
以上の装備はウェルキャブには設定が無くオプションでも手に入らない。全くの健常者が乗る贅沢の限りを尽くした車に付いていながら実際に必要とする人が乗る車に設定されていないのはどう見てもおかしい。福祉車両をお求めやすい価格設定でご用意いたしましたと言われても、ただ単に装備をへらしただけであまり割安感もないのが実状だ。
ハルちゃんはよく太陽を見てくしゃみをする。それが引き金になって嘔吐することもある。こんな時電動カーテンがあると車を止めて後ろの席に行かなくてもカーテンが閉められるのに、これさえもオプションである。
便利な機能はすべて省かれているわけで、「80万円以上するリフトアップシートを付けてやっているのだし、普段動けないヤツが動けるようになるだけありがたいと思いなさい。年寄りや障害者は、移動できるだけでありがたいので、その上に便利さや贅沢はもってのほかだ」と言われているようで面白くないことこの上ない。
できるだけ安く手に入れたい人もいるし、予算の許す限り便利な機能を付けておきたい人もいるのだからもう少し選択肢を増やしてもらいたいと思うのは贅沢でしょうか?
ウェルキャブにするか通常の車両にリフトアップシートを付けるかの選択になってきた。リフトアップシートとパワーアシストドアの両方が欲しいときは通常車両になる、ウェルキャブを買うよりかなり高く付くことになる。 悩めるNOBさんの運命やいかに・・・(^^;
このあとおみさんにグランドハイエースとグランビアの写真を見せて好みを聞いたらグランドハイエースの方が良いと言うので、今度はトヨタ販売との交渉になりそうだ、ネッツさんゴメン(^^; 続く!