2003年10月10日(金) リサイクルよりリユース [長年日記]
§1 企業寄り
今日の新聞にリサイクルよりリユースという記事が載っていた。タイムりーな話題だと思う。今月から家電リサイクル法に次いでパソコンリサイクル法が施行された。パソコン捨てるのにお金がいるというわけだ。
リサイクルというのは最後の手段であると言うことをどれだけの人が知っているだろうか。いかにもリサイクルが素晴らしいことのように吹聴しているのはマスコミだが、リサイクルの前に先ずリユース、つまり繰り返し使うと言うことを伝えなくてはならないと思う。
紙パック入りの牛乳を買ってきて、飲んだ後は中を水洗いしてはさみで切り開いて廃品回収に出していると、自分はよいことをしているように思い、その行為に酔いしれているのではないかと思うが、心当たりはあるだろうか。
その前に瓶に入った牛乳を配達してもらって、毎日その瓶を返すという昔は当たり前だった光景を思いだして欲しい。安ければいいという安易な購買動機を変換しなければリユースの発想には至らないと思うが、この繰り返し使うという行為がいかに尊いか分かるだろうか。
環境を守るためにはコストがかかる。それを負担するのは国民で良いのだが、その方法がまずい。家電でもパソコンでも処分に金を取るのは間違っている。
昔、ジュースは全て瓶入りだった。空き瓶をお店に持っていくと10円で引き取ってくれた。これはビール瓶やお酒の瓶も金額こそ違え、同じように引き取ってくれた。子どもたちはこぞって瓶をお店に持っていき、買い取ってもらったお金でまたジュースを飲んでいたのである。すでにこの時デポジット制が確立されていた。そして、王冠こそ散らばっていたモノの、空き瓶はゴミにはならなかったのである。
家電やパソコンもこのデポジット制を取り入れるべきである。消費者団体などはずいぶん申し入れていたようだが、政府は取り合わなかった。なぜならデポジット制を確立するには新しい製品に使用後買い取るためのコストを乗せておく必要があるからだ。新しい製品に少しでも別のコストが乗ると売れなくなると言う企業側の根拠のない理屈に丸め込まれているのである。
処分時に費用が発生するリサイクル法は家電の時にすでに破綻している。不法投棄が増える一方で、その不法投棄されたゴミの処分費は地方自治体の費用でまかなっている、つまり消費者が支払っているのである。どうせ消費者が負担するのなら効率の良い負担にするべきだと思う。
考えてみて欲しい。古い家電やパソコンを引き取ってもらうと数千円のお金が手に入り、次に買うときの資金に回せるので、新製品にコストが乗ってもそれほど割高感を持たなくなる。また、不法投棄されたパソコンや家電はお金になるので集めてお金にしようとする人が出てくる。これで不法投棄も減るので一石二鳥なのですが、こんな簡単なことが分からないはずがないので、企業寄りになってしまうのは別の理由があるのかも:-(
ちょっと話がそれました。パソコンも捨てる前にちょっと考えて下さい。「パソコンリサイクル」で検索すると、古いパソコンを欲しい人が居ます。僕も今年たくさんの古いパソコンを引き取って頂きました。まだまだ役に立つところがあるのですね。パソコンも先ずリユースです。