ハルちゃんとナルちゃんのおいたち


訓練法の壁

子供たちの訓練が進むにつれていろいろ不安も疑問もでてきます、卒園間近になるとボイターだけでは物足りない感じもするのです。しかしほかの訓練にはない良さもあり捨てがたい面もありました。

ボイター以外の訓練としてはボバース法とドーマン法が代表的です。その内ドーマン法は中央競馬の騎手福永洋一が落馬事故の後全く無反応な状態からふだんの生活が何とかできるまでに回復できたのは有名な話ですが 氏や日木流奈君の話が有名ですが 、 かなりハードな訓練で毎日が戦争のような状態。我々のような家庭には不可能に近いカリキュラムがくまれることになります。主に事故などで失われた感覚を取り戻すために用いられることが多いようです。

小学校へ上がるくらいの子供たちにはもっぱらボバース法を採り入れている施設が多い、これは実生活に基づいた姿勢を重点的に反復練習する訓練法でそれなりの付加がかかるので体幹が出来上がっていない体には負担が大きく側湾などの弊害をもたらすことも考慮しなければならずリスクが全くないわけには行きません。と言ってボイターだけではなかなか実生活に基づいた訓練はできずいつまでたっても基礎練習をしている感じが否めません。

体のバランスのとれた発達が第一のボイター。少しでも早く実生活に入れるように少々の付加は覚悟で生活に密着した姿勢の確保を重視するボバース。どちらも捨てがたい魅力があるのですが。両方の良いところを採り入れて実施している施設は日本全国探しても数えるほどしか無いようです。また同時に鍼治療も併せて総合的に診てくれる施設が一カ所だけあったように聞いています。最近ではこの辺の見直しが徐々に始まっていてこのころ通っていた茨木の療育園では勉強の真っ最中でした。

ところがこんなところにも派閥のようなものがあって、なかなか相容れないものがあるようでした。また、両方の資格を取って両方マスターするにはそのような土壌はもちろん派閥の壁をうち破るエネルギーが必要で少人数で実現するものではありません。まず第一に子供ありきではなく第一に派閥ありでは進歩がありません。これをうち破るべく意気投合したそれぞれの専門家たちが徐々に協力しつつある現在、先駆者にエールを送りたいと思います。そして近い将来それぞれの個性にあった訓練をボイターやボバースではなく日本独自の訓練が開発されることを願っています。

2004年07月13日 14:08更新