ハルちゃんとナルちゃんのおいたち


養護学校えらび

春菜も6歳になり就学期を迎えました。春菜の様子から普通の学校は考えられませんでした。そのころは大阪府島本町に住んでいたので候補にあがったのは茨木の養護学校でした。

島本町には養護学級はあるものの養護学校となると府立に頼るしかありませんでした。大阪府では肢体不自由と知的障害とが明確に分けられており春菜は重複障害なので肢体不自由と言うことになります。知的障害の子供たちは隣の高槻市にあり近くて便利なのですが茨木の養護学校は今まで通っていた療育園より遠くなってしまいます。送迎バスもあることはあるのですが通学に1時間以上かかってしまいます。体幹が安定せず自分で姿勢も変えられない春菜にとっては過酷な条件です。

高槻市にある市立の養護学校にも見学に行きましたが、ここは中等部まで、高等部になれば再び茨木になってしまいます。このままでは八方ふさがり、なかなか決めることができませんでした。

しかし、このままでは時間ばかりが過ぎてしまい春菜の就学は待ってくれません。そもそも私たち夫婦は京都生まれの京都育ち。京都府立の養護学校は長岡京市にあり茨木に比べると車で15分から20分ぐらいのかなり近いところにあります。何とか京都の学校に行けないだろうかと考えました。こうなったら引っ越しも覚悟、春菜優先の体制に入りました。

とるものもとりあえず見学に行きました。築25年以上たつ古い建物、中に入ってみても好印象はありません。救われたのが案内していただいた先生方でした。校舎のイメージとは違い先生方は明るい方ばかりとっても親切にしていただきました。妻が中学校の時に習っていた先生がおられたり僕が小学校の時に習っていた先生がおられたりとローカル色いっぱいでなんだか安心してしまいました。なんと言っても妻が生まれ育った地元です。「来るのを楽しみに待ってるよ」とも言っていただきここにしようと決めました。

それにしても選択肢が少ないことに驚きと怒りをおぼえました。障害のある子供を持つ親にとって少しでも子供を安心できるところに行かせたいと思うのはあたりまえ。でもそんな親の気持ちに答えられる体制は全くできていませんでした。

2004年07月13日 14:08更新