ハルちゃんとナルちゃんのおいたち


週5日制

週5日制、制度の理念は実にそれらしい説明がされていますが、これがまた我々にとって大きな負担となってきました。 世論の流れから週5日制はそれなりに評価できることですし、先生にも休みが必要です。 特に養護学校の先生は肉体労働なので故障者を減らす意味でも重要と考えています。

『子供に[生きる力]と[ゆとり]を』をうたい文句に始まったこの制度、親のゆとりはどうしてくれるのでしょうか、重度重複障害をもって生まれてきた我が子を日々介護しているだけでも大変なのです。 学校へ行っている間だけが親にとってのゆとりの時間なのです。

かといって本当にゆとりに当てているわけではありません。子どもがいては出来ないこと、妻にとっては、たとえば日頃の買い物や、家事に追われます。 私にとってもつかの間の仕事に専念できる時間でもあるのです。

5日制の実体を見ても、実際に「ゆとり」や「生きる力」を身につけているのでしょうか、学校での勉強が足りない分塾に通ってみたり、休みと言っても家に閉じこもってテレビゲームではあまり意味がないように思えます。

実際に過当な受験勉強を減らそうと思うなら、実社会の学歴偏重主義を改革すべきです、特に官僚の学閥などは目に余るようですし、いっそのこと国立大学を廃学してしまえばもっと自由でゆとりのある社会が出来ることでしょう。

それを置き去りにして、初等教育から変えようと言っても出来ない相談だと思うのですが、いかがでしょうか。まさしく本末転倒ではないでしょうか。

週5日制がスタートしてから、地域で5日制の取り組みが始まりました。学校へ行けない分地域でカバーしようと言うことです。

片やゆとり、片や穴埋めです。この辺の事情はなかなか上までは届かないようですね。2002年には完全週5日制が実施されるようです。ますますゆとりのない時代が来ると懸念しています。

さて、実際の5日制はというと、予想通りゆとりなどと言っている暇はありません。そのほとんどは、保護者の努力の元に成り立っていると言っても過言ではありません。持ち回りで役員を決めて行政との折衝や場所の確保など奔走しているのが実態です。それでなくても障害児を抱えている保護者は普段から人並み以上の努力を重ねています。その上まだ努力目標が増えたのです。活動実態がないと補助金はカットされ、ますます運営がこんなんになってきます。ボランティアの方々も限界以上の働きをして頂いてます。

そんな中に有っても、我が家の場合それ以上の負担がかかります。二人の子どもを見ているのは二人の親ですし、二人の子どもは全面介護が必要となるとおいそれと5日制の取り組みに参加できるはずもありません。結局はほとんどの行事にも参加できず5日制の土曜日は在宅状態が続いています。

最初の方にも書きましたが、親のゆとりはどうしてくれるのでしょうか。

2004年07月13日 14:10更新