2006年04月11日(火) [長年日記]
§1 バイコニカルアンテナ
自作のバイコニカルを作ったので覚え書きとして残しておきます。若干SSBからFMのメインあたりに整合しているようでSWRも安定しています。レピーターあたりになるとSWRが0.1程あがりますがまったく実害はありません。レピーターをよく使うのならもう少し全体のサイズを小さくすれば良いかもしれません。若しくは給電部の隙間の調整で加減できるかもしれません。
材料
- 5D用M型コネクタ
- φ8mmの銅管(内径は約φ7mm)(同軸管外部導体)
- 3mmの銅線若しくは真鍮棒(同軸管内部導体)
- 2mmの銅線若しくは真鍮棒(コーンを作るのに使用)
- M8真鍮製ナット(面間13mm入手が難しいかもしれない)
- M8真鍮製ロングナット(面間12mm入手が難しいかもしれない)
- 丸形圧着端子(2mmの線に3mmのボルト用)
- Y型圧着端子(2mmの線に3mmのボルト用)
- ストレート圧着端子(銅線を付き合わせて接合)
- M3真鍮製ロングナット(面間5.5mmDIYに有った)
- M3ボルト
電波と言えども電気なので出来るだけ銅製品がいいと思われるが、銅は焼き入れが出来ず熱を加えると必ず焼き鈍しになるので真鍮の方が都合の良い場合もある。
同軸管の外部導体と内部導体のサイズはN型コネクタの接合部を見ればわかる外部の筒は内径が約7.0mm付近であり内部導体の外径は約3.0mmである。これに倣ってサイズを決定したのだが案外インピーダンスが有っているような気がする。N型コネクタを使う場合は8D用のコネクタを使う必要があるだろう。ちょっと加工にも工夫が要りそう。
コネクタ取り付け
8mmの銅管にコネクタを取り付ける。今後の作業の際にマグネット基台などに立ててする場合などにも便利である。少し遊びがあるので先に銅管に半田をメッキしておくとより中心に来るかも知れない。
銅管の長さは同軸管なので任意でかまわないが、下部のコーンが車などに取り付けた際にボディに干渉しない程度の長さが必要である。今回は200mmで作った。
給電部の加工(下側)
ナットのネジ部をドリルで削り取ります。7.0mmのドリルで貫通した後8.0mmのドリルで最後の少しだけ残して削ります。銅管の先端に被せたときストッパーになってはんだ付けなどの加工が楽になります。
給電部の加工(下側)エレメント接合部
ナットの6面全てに2.6mmの下穴を開けて3.0mmのタップでネジを切ります。その穴に全ネジボルトを短く切って取り付けます。普通のボルトを買ってきてボルトカッターで切れば作れます。長さは圧着端子とワッシャとナットが取り付けられれば充分です。
給電部の出来上がりの状態(上部)
M8の真鍮製ナットの中にM3の真鍮製ロングナットを入れて回りの全ネジボルトで固定した後半田で固定します。これにエレメントを着ければ上部のコーンが出来上がります。
給電部の出来上がりの状態(下部)
まるで小さなグランドプレーンアンテナのようですが、放射状に出たボルトにエレメントを付けて下部のコーンを作った後、中心の導体に上部のコーンを取り付ければほぼ完成です。外部導体と内部導体は同軸になっていなければならないので絶縁物などを巻き付けて中心を出しておき、エポキシなどで固めてしまえば防水も出来て完璧な同軸管になります。
ナットに3.0mmのボルトを放射状に6本取り付けてから半田を流し込みます。真鍮のナットと同軸管の外部導体が電気的に良好な接続になります。また、放射状のボルトも半田で固定されてこれも電気的に強固に接続されます。
内部導体の真鍮棒は3.0mmで給電部側はダイスを使って雄ネジを切ります。真っ直ぐに切るのは難しいですが慎重に切ります。ネジの長さは15mm程度にしました。全体の長さはコネクタの先端から給電部の外部導体からネジを切った15mmが出る程度の長さと言うことになります。
エレメントの接合部の様子
円形のエレメントとコーン部のエレメントをY型端子で接続した後半田を流し込んで電気的にも強固に接続します。給電部は丸形端子とワッシャ、ナットで強固に接続します。
出来上がった上部コーン
上部のコーンは何時でも取り外しが出来ます。前回作ったものには出来ないことですね。これによって最終的な微調整が随分楽になります。
コーンのサイズは上部も下部も同じ。環状のエレメントは381mmに切ったものをスプレー缶などをあてがって丸く加工します。突き合わせの部分は、ストレートの圧着端子で接続して半田で固定します。
コーンの直線部のエレメントは115mmで作りました。片方の端にY型端子をもう片方には丸形端子をそれぞれ向きを逆にして圧着した後半田で固定します。丸形端子の方は給電部のナットに取り付けます。Y型端子は環状のエレメントを接続するのに使います。
完成したバイコニカルアンテナ
前回作ったものよりカッコイイと思うのですが、なんだか給電部がゴツゴツしすぎている感じ。もう少しスマートな作り方がないか時間が出来たら考えましょう。
最終的な調整は給電部の上部コーンと下部コーンの隙間を加減して調整します。自分がよく使う周波数付近で一番良好なSWRになるように調整すればよいでしょう。調整が済んだらその隙間に見合う絶縁物を見つけて挟み込むのが良いのですが、そのままテナコートなどを流し込んでもかまわないでしょう。上部コーンが取り付けてある中心導体が細いので振動などで壊れないように絶縁物を挟み込んでしっかり固定した方が良いでしょう。
絶縁物にはブリスターパックの樹脂部分を使った。必ずしも均一な厚みではないもののおよそ0.3mm程の厚みである。これを2枚重ねで締め込んだ時に最良の値が出た。僕が使うのはほとんどがFMのメイン周辺なので433.00Mhz付近で調整した。給電部の隙間は0.6mmから0.7mmの間くらいになっているものと思われる。