2011年03月16日(水) [長年日記]
§1 原発事故の話
どうもスリーマイル島とかチェルノブイリとか色んな話が錯綜して混乱を招いているようですね。チェルノブイリは論外だと思うのですが、スリーマイル島にしても構造的な欠陥による事故のようですから同列に比較するのはどうも違和感があります。まぁ事故後の被害を想定する場合にスリーマイル島クラスという表現はまだ有りかも知れませんが。
今回の事故は天災であって、罹災当初は正常の動作をしていたわけですから少し次元が違いますね。作動中の原発は全て自動で緊急停止して、正常に事故回避の動作をしていたのに想定外の津波が本体ではなく付属設備を壊してしまったがためにいま非常に厳しい状況にあるという事だろうと思います。
ちなみに発表によると地震のマグニチュードは8.4を、津波の高さは3.2メートル位を想定していたようです。コレはたぶん日本の原発全てが同じだと思います。其処にマグニチュード9.0でエネルギーでいうと8倍ぐらいの大きさとか、津波についても7.2メートルの記録があるそうで、4メートル以上も想定より高い波が来たことになります。こんな条件でこれぐらいで済んだのは日本の技術の高さを示しているのだと思うのですが。
最悪の事態に陥ったとしてもスリーマイル島ぐらいの規模で終わるだろうという比較も有りだと思います。スリーマイル島は付近住民への被害はほぼ無かったようですし、6年後には運転を再開しています。
近くの方は非常に不安だと思うのですが、コレは官邸と電力会社と原子力安全保安院とがばらばらに発表しているせいもあるだろうと思います。マスコミも不安を煽ることばかりしないで、もう少し冷静な報道をして欲しいですね。
ただ、官邸の動きがどうも怪しいというか、メンツばかり気にして重要な判断を鈍らせているように思います。火を消したり水を扱わせるには消防が最も適任だと子どもでも解りそうなところを警視庁の放水車を出してみたりしているところがどうも間抜けですね。事故後の対応で人災が指摘されたとしたらそれは官邸の責任でしょう。ある意味「器」じゃないのかも、それに早く気付いて識者に助けを求めるのも度量というモノです。