2015年12月10日(木) [長年日記]
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§1 聴竹居の修理
聴竹居のトイレが流れなくなった、聴竹居の水道は長年うちの店が修理をしてきた。暫く前までは貸家として実際に人が住んでいたのだ。
設備は当然古く、和式の便器は日本製だけれども、今そのメーカーがあるかどうかさだかではない。小便器や手洗い器にしても同じです。今となっては貴重な住宅で意匠を変えられないという制約の仲でメンテナンスをして行かなくてはならないので、なかなか大変なのです。
昔の排水設備は鉛管が使われていたので、水道屋は鉛工(plumber)と呼ばれていたのも頷けます。聴竹居の建物内の排水管はすべて鉛管です。曲げたり半田付けしたりして、器用に配管されてます。角度も自由自在ですが、コレが曲者、今回はすべてを塩ビ管に替える工事。
万が一、便器が割れたり、部屋の内部の配管が外れたり壊れたりすると意匠が変わってしまうので、慎重に床下の配管だけ替えなければなりません。床下と言えば自然の傾斜を利用して空気の流れを作っているようなので、縁の下の高さが場所によって違います。縁の下への入り口は1つ。
なかなか大変な工事でしたが、無事に配管をリニューアル。トイレも手洗いもスッキリ流れるようになりました。水回りは使わなくても傷みますが、使っても傷みますし、これから見学者が使っていく上で果たしてどれくらい保つのか、気になるところです。
最後に、住宅としては優れているようですが、バリアフリーにはほど遠い作りです。コレばかりは意匠にこだわる限り直せませんが、果たして車いすでも見学できるのか、それも気になりますね。