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春ちゃん成ちゃんへの手紙
~ママの日々~


2001年09月03日(月) [長年日記]

_ 唐突ですが...

「最近は病院で亡くなるとご遺体は自宅へ帰らず、葬儀会館や火葬場へ直行するケースが増えている。」と、そんな新聞記事が目にとまりました。その背景には 自宅がアパートや共同住宅などのため、ストレッチャーで運び込むのが困難という事情もあるようですが、近年ではエレベーターによる搬入可能な設備も進んできているようなので 理由はこればかりではないようです。どうやら自宅に安置するのが「めんどう」だと考える人が増えてきたのだそうです。

正直言って私はビックリです。私が育ってきた所は田舎でマンションやアパート暮らしを経験していないので、自宅で最後のお別れをし、送り出してあげるのが当たり前だと思っていました。もちろん、住宅事情でどうしても最期に帰宅させてあげられないと言うのは仕方ないと思いますが 出来ることなら最期は自宅で家族水入らずでゆっくりお別れの時間を持ちたいと思うのです。

長年過ごした家の中で 身繕いや髪を整えてあげて、お化粧をし、お顔を見ながら感謝の気持ちを伝えて、想い出を振り返ってみたり、どうぞ良いところへ旅立っていってくださいと祈ったり...。こうやって亡き人を偲ぶ場であると共に「命」を実感する時なんだと思います。

私たちが一番ダイレクトに「命」を感じることが出来るのは「誕生」と「死」だと思います。「命」を粗末にされがちな今の時代に、「めんどう」と言わずに家族の「命」を尊ぶために自宅で家族揃って見送りたい、私はそう思います。

_ [ブック] さよならエルマおばあさん/大塚敦子/小学館

エルマおばあさんがもう長くは生きられないとわかってから、家族と一緒にその日を迎えるために準備をし、共に過ごされた日々を写真に納められたものです。おばあさんの意志を尊重し、より良く送ってあげたいという家族のあたたかい思いが写真からもいっぱい感じられます。できればこんなふうに最期を迎えられたら幸せだろうなぁ..そう思いました。

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