2001年09月29日(土) [長年日記]
_ [成ちゃん] とりあえずの一安心
付き添いの交代をして家に帰っている間に ナルちゃんは自力でオナラが出るようになったようです。はぁ〜...よかったぁ...。全身の緊張感が一気にっど〜っと抜けるような安堵感。とりあえず、良かった!病院に戻ると ナルちゃんは造影検査を終えて病室に戻ってきたところでした。検査室が寒かったのか 手足がすっかり冷え切っていたので 慌てて電気座布団って言うのかな?を借りて体を温めました。せっかく回復に向かっているのにこんな事で風邪をひかしたりして後戻りはしたくないもの。もうちょっと気をつけてほしいものだわ。しきりに看護婦さんや先生に訴えました。今日の造影検査では何も見つからなかったようでした。
_ [ブック] ぼくらはみんな生きている/坪倉優介/幻冬舎
18歳の時に事故で記憶喪失になった坪倉さんの手記。驚いたのは記憶喪失とはこんなにも全ての記憶を失ってしまうのかと言うこと。人の名前や場所などを忘れてしまうばかりか、食べること、しゃべること、など基本的に生きていくのに必要なことまでも忘れてしまうのです。それはまるで 「これなに?」と質問攻めをし始める幼い子どもに似ていました。やがて 少しずつ社会復帰をされますが 周りの人々になじんで行くには 人には理解し得ないような苦労や努力があったのだと思います。人って言うのはそれぞれいろんな事情を抱えながら生きているものだと改めて感じました。
やがて彼は草木染家としてデビューします。その作品をテレビで見たことがあるのですが それは微妙な色あいで自然の恵みをしみじみと感じるものでした。特に梅の染め物は 梅が咲く直前の木でなければ淡いピンク色には染まらないのだそうです。そんな数々のエピソードには感動しました。とは言っても私が目にした作品はテレビの画面を通して...。できれば この目で直接その色を確かめたいです。人はどんな人生を積み重ねてきたかも大事ですが それ以上にこれからどのように生きていくか、どれだけ実のある生き方が出来るかと言うことがもっと大事なのでしょう。坪倉さんのこれからの作品がとても楽しみです。