2004年05月17日(月) [長年日記]
_ 心が重いこと
「自分が惨めになっちゃうんですよね...。」といわれてハッとしました。
初老の男性が電車で帰ると言われたのですが雨が降ってきていたので「タクシーをお呼びしましょうか?」とおたずねしました。すると いいえ、電車で帰ります、とのこと。ゆっくり、ゆっくり、身支度をされるその方。タクシーに乗ると降りるときに時間がかかると言うことなのでした。今日のような日は普段の荷物に加えて傘もあるし、お金を払うのももどかしい、シートに沈みこんだ体から どっこらしょと立ち上がることも一苦労のようです。 あぁ、そうなんだ。「自分が惨め」といわれてなんて言ったらいいのかすぐに思いつかなくて「いいえー、何をおっしゃいます。」とだけ。 それから、すっぽり座り込んだら立ち上がるのも大変ですよね、運転手もいろいろな方がおられますしねー.... そんなことしか言えず気の利かない私。 いいじゃないですか、ゆっくり気を付けて降りられたらいいんですよ、 お客が無事に降りられるまで待てない運転手なんてプロではないですよ! ...ってそんな風に言えればよかったなぁ。頭の回転悪いナー、わたし。 それからなんだか心が痛いって言うか、重いって言うか、しんどい気持。 それはたぶん自分の気の利かなさと 世の中の気の利かなさ。 体の悪い人が出かけにくいのは ひとつは世の中がそれを阻むような環境であるという事。人がバリアを作ってしまっている。 一人でも不親切な運転手に出会ってしまったらもう次からはタクシーに乗るのが億劫になってしまうのだと思います。不親切かどうかはさておいても、「どうぞ、気を付けてゆっくりお降り下さい。」と一言添えるだけで客側の気持が楽になるものです。 ゆっくりでもいいやん。お互いに気遣いしながら優しく暮らしていきたいです。