養護学校に入学しても訓練の時間というのがあります。訓練の先生がおられてストレッチや機能訓練が行われます。また、子供の成長に合わせて補装具の提案や作成の手助けをしていただきます。
我が家の子供達は、今までボイター訓練を受けてきました。これは、そもそも持っている反射を利用して身体の動きを良い方へ導くという訓練で或る姿勢を保ったりツボを刺激して反応を待つというもので短い期間では効果が見えにくい訓練ですがバランスの取れた体の発達を第一に考えた訓練です。一見子供を無理に押さえつけているように見えます、その押さえつけに抵抗する事で正常な動きを出すというものなのですが、人によっては辛いだけでかわいそうと言う人もおられます。
先にも書きましたがもう一つ代表的なボバースという訓練法があります。こちらは実際の生活に合わせ、生活に必要な動きや姿勢を体験させ少しでも早く実生活に馴染むようにしようという訓練です。その分バランスの取れた身体の成長を少なからず犠牲にする可能性を秘めていることがあると言う人もおられます。
親としてはどちらをとるべきか悩んでしまいます。自分で座ることもできず体幹も不安定な状態で果たしてボバースに耐えられるのか。また、ボイターだけでは実生活に入る準備が遅れてしまわないか。など、悩みは付きません。
学校の訓練は素人目から見る限りではボバースに近く見えます。ボイターについては療育園では主流ですが就学児童にはボバースというのが通念となっているようでした。正確に言うと学校の訓練はボバースでもなく独自の発展をしてきているようです。これは或る小児科の先生に聞いた話ですが、学校は建前上教育機関で訓練施設ではないから、学校生活に必要な訓練をしているのであって、個体差に合わせていろいろな訓練を取り入れるのは難しいだろうということ。また、それぞれの専門家を配置するのにも教育機関という制度上の問題があるようでした。
ここでも、個体差に合わせた最善の方法を選択することはできませんでした。制度の中で担当の先生が最善の方法を選択してくださっています。このあたりの訓練のことで悩んでいる親御さんが大勢おられます。週に数回学校を休んで訓練に通っている方もおられます。情報も氾濫していてどうしたらよいか悩んでいるものに適切な判断が出きる情報を提供し選択できる制度ができないものかと常に考えます。
制度の問題や派閥の問題などまだまだ問題点は多いようです。制度自体が合わなければ制度を変えるという逆転の発想はなかなかできないようです。制度の中で悩んでいるのは親御さんや障害のある子供達だけではなく、先生方も同じでしょう。
制度(法律)には必ず抜け道があるはずです。「校長が認めた場合はこの限りにあらず」とか「教育長が認めた場合はこの限りでない」など。このあたりを適切に解釈して取り入れていけば実現できる事はかなり有るはずと思っているのは私だけでしょうか。このあたりの解釈の違いが同じ地域にあっても障害児の受け入れ態勢の違いに出てくる気がします。