2000年03月24日(金) [長年日記]
§1 山口県母子殺害事件で
無期懲役という判決が下った。大きな反響を呼びマスコミも毎日賑やかである。
被害者の遺族、本村 洋氏が裁判所の法廷で司法がやってくれないならボクが殺すとまで言っている。まったく同じ気持ちである。
日本の場合極刑に当たる死刑の次は無期懲役が一般的のようだが、無期懲役というのは永遠と言う意味ではなく期限に定めが無いと言う意味で通常の受刑者の場合20年前後で仮出所するらしい。
少年の場合はほぼ8年ぐらいで仮出所となるのが通常らしい。遺族にとっては割り切れないだろう。
少年を保護することは国の将来を考えても大事なことであるのは確かなことであり、誰も反対はしないだろう。 しかし、例え少年とは言え殺意を持って人を殺したものに保護される権利があるのだろうか。
本村氏はいま、葛藤の最中だろう。検察が控訴すればまだ極刑になる可能性も無いわけではないと思うが、このまま確定した場合、彼は8年後のことを考えているだろうと思う。
自分だったら今の状態で加害者を目の前にしたら殺すかもしれないと思う、が、8年という歳月はその気持ちを薄れさせるのに充分な気がする。 そんな中加害者が仮出所したという知らせを聞いても現時点と同じ敵意や殺意を維持できるかどうか難しいところである。それ故本村氏は苦悩の中にいるのではないかと思う。極刑が言い渡されていたらこの苦悩から少しは解放されたと思われるし、自分が生きている間は出所して欲しくないと言う思いが強いと思う。
日本の法律では終身刑がないし、また、複数の犯罪を犯した場合、アメリカなどは加算されていき懲役200年などと言うこともあるらしいが日本の場合はその中で一番重大な犯罪に対してのみ考慮するようだ。この辺の法整備も必要な気がしてならない。
心から愛していた家族を奪われ、インタビューの中で、自分の力のなさを嘆き、家族を守ってやれなかったと言った彼の気持ちが痛いほど分かる。