へんこつ日誌

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2001年11月07日(水) [長年日記]

§1 ハルちゃんの荷物を届けた後

仕事場に戻ったが仕事が手に付くわけでもなく、しばらくネットを見て回った。たくさんお人からのメッセージありがたい。

夕方食事をし始めた頃、おみさんから電話が入った。ナルちゃんのお腹の張り方がおかしいので今からCTで検査するとのこと、場合によっては再手術もあるのでお父さんにも来ていてほしいとの連絡だった。お腹の片方だけおかしな膨らみをしていて、触ってみると柔らかく空気が漏れているような感じとのこと、お腹が張っているのにもかかわらず関係なく力を入れて泣くナルちゃん、何が起こったのだろうか。

急いで食事を詰め込んで病院へ出かけた。既にナルちゃんはCT室の人となっていた。辛そうに怖そうに泣いているのが痛々しい。

その後レントゲンを撮って病室まで戻る、外科の先生が病室へ来てお腹の状態を見ながら少しの説明を受ける、お腹の腫れは皮下気腫出そうで、そこからか漏れた空気が皮下組織に入って出来る物らしい。CTとレントゲンの結果が出次第詳しい説明をしてくれる。

しばらくするとナースステーションに呼ばれた。今のところ考えられるのは腸からガスが漏れていてそのガスが溜まっていると考えるのが妥当と言うこと。腸に穴があいているとすると腸内の液が漏れだし腹膜炎を起こす可能性があり危険と言うこと。出来るだけ早く再手術が必要であること等の説明を受けた。

考える暇のない2度目の決断の時。幸い発見も早いので重篤にはならないだろうと予測は出来るのだが、48時間以内に2度目の全身麻酔が気に掛かる。しかし腹膜炎はもっと怖い。いくら考えても再手術しか道はない。夫婦そろって承諾書にサインする。

容易でき次第手術室から呼び出しがあるとのこと、しばし病室で待つことになる。ナルちゃんは泣き疲れて静かに眠っている。

ものの30分ほどすると手術室から呼び出しがあった。IDカードを付けて貰って手術室へ向かうナルちゃん、手術室にはいるとき弱々しい泣き声で入っていくナルちゃんを見送るのは何とも言えない気持ちだった。

我々は病室に戻って手術が終わるのを待つ、ナルちゃんは闘いの最中だ。天に祈るより何もすることのない歯がゆさを味わう時間は長く感じる。

事前に消化器の先生にどのくらい時間が掛かるか聞いてみた。前回と同じかそれより早く済むと思うとのこと。予告通り前回より少し早い目に呼び出しがあった。

手術室横の面会室で説明を受ける。手術は前回切開したところをもう一度開ける。腸管の状態を全て点検すると言うことだ。また、今回のようなことが再び起こらないように、胃と腸にチューブを入れて内圧を監理できるようにすると言うことだった。

開けてみると何処にも腸液が漏れている気配がない。手術の跡を点検したがまったく異常なし。どこからも漏れだしている気配がないし、実際点検してもどこからも漏れてないししみ出している気配もない。どうやら手術時にわずかながら入ってしまう空気がお腹の張りやナルちゃんの力みなどが手伝って、切開した傷口から皮下に進入したらしいと言うのが医師の見解であった。実際傷口の端が少し裂けるようになっていて、そこから皮下気腫につながっているとのことだった。念のため内臓を洗浄し、その液を採取して細菌検査に出しているとのこと、腸管からの漏れがあったら大腸菌などの細菌が検出されるはずである。

短時間に2度の全身麻酔と言うことで、今夜一晩ICUで様子を見ていただくことになった。出来るだけ時間をかけて覚醒をはかるようだ、術後2時間弱待ってICUに面会に入った。人工呼吸器につながれているナルちゃん、お疲れさんでした。意識のレベルを押さえられているが僕たちの声には反応している様子。早く抱っこしてほしいと訴えているのかも知れない。抱っこできるようになったらいっぱいしてあげるからね。頑張ってちょうだい。

今夜は何もすることがないし、医師の薦めもあっておみさんも一緒に家に帰って休むことにした。明日からまた数日間闘いの日が続く事になるから。