へんこつ日誌

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2002年07月04日(木) [長年日記]

§1 座位保持と安全確保

障碍のある子どもたちが自動車に乗って移動するとき、いかにして座位を保持するかと言う問題に加えて、どのように安全を確保するかという問題が複雑に絡み合っているなかで最善の方法を模索しなければならない。

我が家の場合、ナルちゃんは自分で一人座ることが出来ない状態なので、お母さんが抱っこして運転席の後ろの席に座って移動している。これは非常に危険な状態だが、仕方なくそうしている。シートを回転させて後ろ向きに座れば今よりは安全かもしれないが、車酔いなどを起こしやすい場合には辛いものがある。ナルちゃん用のシートはほぼ完璧なものがあるが、使える日が来ることを願うばかりである。

ハルちゃんの場合は、適切に座位保持装置などを使ってあげると自分で座ることが出来る。現在の車になってから1年半ほどの間は、シーズという会社のキャロットという製品を使っていた。

この製品は座位保持装置であってシートにちゃんと座れるようにするための装置です。股間を軸に着いているハート形の胸当てを腰の横と肩の上に固定された2点ベルトを両脇に抱え込んでハート形の胸当てにあるバックルに留めるもので、シートにハルちゃんがガッチリ固定される。安全確保は自動車に着いている3点式シートベルトで留めることによって確保できるわけで、想像できると思うが、5点ベルトでシートに留められてなおその上から3点ベルトを掛けられるわけで見るからに窮屈だ。しばらくなら座れるが小一時間もすると辛くなるときがある。

この春から新しいシートにした。RECAROのstartという製品に替えた。このシートはいわゆるチャイルドシートで、座位保持装置としてはキャロットに劣るが、インパクトシールドという抱き枕のようなものを膝に抱えて、その抱き枕ごとシートベルトで留めてしまうと言うタイプのシートです。

安全の確保は自動車に着いているシートベルトで固定するので、この辺りはキャロットと同じですが、少し改造を加えて、start自体を自動車のシートに固定して、抱き枕を2点ベルトで固定するように加工しました。移動中に眠たくなるハルちゃんはキャロットでは前屈みになっても支える物がなく辛そうな姿勢でしたが、RECAROに替えてからは抱き枕のおかげでラクチンに居眠りが出来ます。しばらくはこれを使い続けると思います。

2つのシートを使ってみたけれど、どちらのシートも使ってみるまで当事者の子どもとの相性などがわかりづらく、キャロットの時は見本に座らせてみたものの、ハルちゃんに完全に合わせるところまでは試すことが出来ず見切り発車で購入してから合わせてみて足りないものを再注文するという形でできあがった。

RECAROの場合も、完全な見本が無く好みの色だけ伝えて仕入れてもらい、後はものを見てから改造するという行き当たりバッタリだった。抱き枕の取り付けも装具屋さんの勧める方法で試したものの、安全面の不安が残り自分で改造を加えて今の状態(自動車付属の2点バルトを使えるように改造)に落ち着いています。

毎日子どもたちを送り迎えしているお母さん達、色々工夫して子どもたちを乗せています。しかし、そのほとんどがナントカ車に乗せる姿勢を確保するのがやっとで、安全が確保されているのは、残念ながらほぼ皆無といって良いでしょう。

チャイルドシート指導員という制度があるのをご存知だろうか。先日警察庁とJAFの共同で行われた2002年チャイルドシート使用状況全国調査で、幼児用チャイルドシートの取り付け状態のうち約7割が不適切だった事から、チャイルドシート指導員の増員が求められていると思う。

こういった一定の資格または経験を持った者が、養護学校に配置されるべきだと最近思うようになりました。チャイルドシート指導員と障碍児の座位保持に関する知識を持ち合わせた指導員が徐々に指導していけば、子どもたちの安全も確保されていくものと思います。自家用車での自主通学をしている者には、何らかの指導か助言を行うべきでしょう