2002年07月31日(水) [長年日記]
§1 住基ネット
来月から始まるらしい「住基ネット」。いろいろ問題も残っているようだが、見切り発車されるようだ。当然のことだがプライバシー漏洩の危機であることに間違いはない。こんな形で国民を管理する法律があるのは日本ぐらいだろう。
マスコミは危険性を指摘して、毎日騒ぎ立てている。いっそのことマスコミ各社が賞金を出し合って、住基ネットの情報を盗んだ人には、1名分当たり1円出しますとでも言った方が話が早いと思う。多分大勢のクラッカー達がこぞって参加するだろう、なにせ、少しの労力で1億2千万円ほど稼げるわけだから…。
セキュリティを考えたとき、一番危険なのが人間である。特に口が軽かったり脅しに弱かったりする公務員はたちが悪い、そんな甘いところからパスワードが漏れたり、IDカードが流出したりするのだ。
そこに歯止めをかけるのが、個人情報保護法案と言われるヤツだが、今国会では成立しなかったばかりか、民間を規制する法案にすり替えられて、公務員を規制できない法律になっているようだ。防衛庁の体質を見ても分かるように、平然と国民のプライバシーを調べ上げて、LANに公開している。いわゆるブラックリストだ。
こんな状態で自分のプライバシーが守れるはずがないことは言うまでもないが、果たして住基ネットが無い今はプライバシーが守られているかと言えば、それも怪しいものである。
何しろ、知らないところからダイレクトメールが来るのはなぜだろうか。子どもの年齢に応じていろんな勧誘の電話が掛かるのはなぜだろうか。完全にプライバシーはボロボロだというのが分かるだろう。既にプライバシーなど存在しない状態だから、住基ネットが出来てもあまり変わらないと思われる。
したがって住基ネットがどうこうと言う話より、個人情報保護法案を徹底的に議論して早く成立させることの方が重要であることは身をもって体験しているはずである。
消費税と同じで住基ネットも一旦稼働したら止めるのは難しい。また、今は戸籍情報だけだから安全だと言いながら、既に他のことに使う案がいっぱい一人歩きしているワケで…。
某合衆国の盗聴ネットワークに掛かれば、どんなに固いセキュリティーで守っても無駄に近いそうですし、制度として規制は必要でも実態はだだ漏れなので、現金でしか買い物をしないとか、引っ越しても届け出を出さないとか、電話もメールも、郵便もやめて直接会いに行くとかしないとダメかもね。
って、行った先に盗聴器があったりするのでご注意を。