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春ちゃん成ちゃんへの手紙
~ママの日々~


2001年08月03日(金) [長年日記]

_ [ブック] 日本の香り/二部晴美/文化出版局

香りと共に頭の中にしまい込まれている記憶はたくさんあります。 ふっと香りをかぐことで ある記憶がまざまざと蘇ってくる経験。きっと誰にでもあるのでしょうね。私は石油ストーブの匂いで 中学3年生の頃の場面を思い出します。高校3年ではなくて なぜか中学3年。受験勉強、自分の部屋、夜、冬の身繕い、そのころの友だちのこと...。そんなことが たくさん連なって思い出されるんです。

ちょっと煙ったような、燻されたような香りがたくさんあったのは私の実家。おくどさんや お風呂の焚き口。アツアツの真っ白なごはんが炊きあがった様子や おじいちゃんが薪割りをしている様子が目に浮かびます。(さすがに今では電気炊飯器とガス風呂ですが...。でもまだおくどさんはあるんです。)

四季を感じる自然の中にも香りにまつわる想い出がいろいろあります。春にはふきのとうや よもぎ、山椒、夏にはムッと熱気が上がる雨上がりの道路、大掃除で上げた畳の匂い、麦茶...。秋は 熟しすぎた柿のあまい香り、むせかえりそうなキンモクセイ、炊きたての新米のごはん、冬には 掘り炬燵の中のいこった炭の匂い、手作り味噌のみそ汁、おくもじ(菜の花のぬか漬け)...。

そんな懐かしい香りと想い出が自然と胸の中にじんわりと広がっていくのが「日本の香り」(二部晴美、撮影は小林庸浩)・文化出版局きれいで 素朴な写真は 気持ちをやすらかにしてくれます。「香りが郷愁を呼び覚ます。」...本文より

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