2011年04月17日(日) [長年日記]
_ [ブック][MJ]ムーンウォーク
ムーンウォーク --- マイケル・ジャクソン自伝(マイケル・ジャクソン/田中 康夫)[Review]
昨年、マイケル・ジャクソンの映画を観てから、ダンスに魅了され、もっと観たい、もっと聞きたい、もっと知りたい・・・とどんどん興味が広がって行きました。 知れば知るほど魅力ある人だったんだとのめり込んでいきました。 最近、意外性とかギャップだとか、人に惹かれるきっかけがそんなところにあるなんて事を良く言われますがまさしくそんな感じ。ハデな感じの曲ばかりかと思っていたのですが良く聞いてみると世界平和や、人権について、世界の恵まれない子どもたちを救いたい・・・などとそんな一貫したメッセージソングが大半なんだとわかりました。 アーティストとしてのすばらしい活動以外にも、重い病気の子どもたちの施設に自ら足を運び励ましたり、自宅のあるネバーランドにそんな子どもたちを招待したり、また桁外れの寄付をしたりと、そんな一面こそがマイケル・ジャクソンの人生における主なテーマだったようです。
そんな人柄に惹かれて 朝一番に起きる私は、みんながまだ寝ている間にマイケルのCDを大きめの音量で聞き、昼間は移動中などにiPodで聞き、成ちゃんの栄養注入中には抱っこしながらYouTubeで楽しんだり・・・すっかりはまっています。
マイケルに関する本は山ほど出ていますが、さて、どれだけ信憑性があるのかは不明です。人々の興味を惹くためにおもしろおかしく、憶測でかかれている本もたくさんあるのかもしれません。 その点、「ムーンウォーク」はマイケルの言葉で語られた自伝です。おいたちや、仕事のこと、関わりのあった人たちのこと、曲が出来る背景などが書かれていますが、読んで感じたのは仕事には本当に真面目に取り組んでいたこと、完璧主義で、繊細で、廻りに愛情を注ぐことが出来る、純粋な人だったようです。そして持って生まれた才能もすばらしいのだと思いました。 本の中で
「一番大切なのは、自分に、そして愛している人たちに対して正直であること、また、一生懸命働くことです。明日はないつもりで、働くのです。練習を積むのです。努力するのです。でき得る限りに、自分の才能を鍛錬しのばすことです。自分がしていることに、ベストを尽くすのです。・・・」
とありました。なによりマイケルのことをよく表した言葉だと思いました。 この本の出版にあたっては、あとは印刷機にかけるだけという段階になって、マイケルは自分を世間にさらけすぎていないだろうかと不安になったようでした。それほど本当の姿がここには語られているのでしょう。その後、冷静をとりもどしたマイケルは出版に同意し、その後、即座にニューヨーク・タイムスのベストセラーランキングで一位となり世界のベストセラーになり世界に受け入れられたことを喜んだということです。 この本の出版は1988年なのですが、これ以降に忌まわしい陰謀に陥れられて苦悩の日々を過ごすこととなっていきます。できれば、それらが一段落した頃のマイケルの心境を第2弾の自伝として語って欲しかった。それをバネにしてまた素晴らしいパフォーマンスを見せ続けて欲しかったと、とても残念に思います。